日本心臓血管内視鏡学会 学術集会・イベント

学会賞(褒賞内田賞・ベストイメージ賞)

内田賞について・応募要項について

褒賞内田賞の主旨や条件等・応募要項につきましては、こちらをご参照ください。⇒詳細ページへ

第33回学術集会 内田賞

「Predictive value of 18F-sodium fluoride positron emission tomography in detecting high-risk coronary artery disease in combination with computed tomography.」 J Am Heart Assoc 2018;7(20):e010224

北川知郎(広島大学病院循環器内科)

この度は褒賞内田賞に選出いただく名誉に預かり、授賞式において直接お言葉を頂いた内田康美先生、選考作業の労をお取りいただいた選考委員の先生方に厚く御礼申し上げます。

次世代イメージングとされる分子イメージングですが、循環器領域での取り組みは臨床、研究ともに立ち遅れております。18F-フッ化ナトリウム(NaF) は炎症刺激により活性化した石灰化病変を標的化するPETトレーサーであり、心筋への生理的集積をしないことから、不安定な冠動脈プラークに特異性の高いバイオトレーサーとして活用が期待されております。本研究では、冠動脈CTにてプラークが検出された症例に18F-NaF PETを施行し、冠動脈イベント予測に対する18F-NaF集積の意義を検証するとともに、冠動脈疾患のリスク層別化におけるCTと18F-NaF PETの効果的な連携について検討しました。PET撮像後の急性冠症候群および遠隔期の冠動脈血行再建術をエンドポイントとして2年間追跡したところ、冠動脈イベントを予測する最大18F-NaF 信号(TBRmax)の最適カットオフ値が1.28であり、TBRmax≥1.28を有する症例においてイベント発症が多いことを見出しました(図1)。また、冠動脈CT画像上のハイリスクプラークがPET画像上のTBRmax≥1.28を予測する有意な因子であることも示しました(図2)。

図1

図2

本研究は、冠動脈プラークの18F-NaF集積が冠動脈イベント予測に有用であることを世界で初めて前向きに実証したものとなります。本研究結果より、18F-NaF PETが新たな分子イメージングモダリティーとして、CTとの連携を通したハイリスクな症例および冠動脈病変の検出に活用されることが期待されます。

今回の受賞にあたり、研究のご指導を賜りました広島大学循環器内科の木原康樹教授、広島大学病院放射線科、平和クリニックの共同研究者の方々に心から御礼申し上げます。

第33回学術集会 ベストイメージ賞

「calcified nodule を内視鏡で確認し生検鉗子にて切削出来た一例」

田中 康太(桜橋渡辺病院)

この度は、第33回日本心血管内視鏡学会ベストイメージ賞に御選考頂き誠に有難うございました。また、歴史ある本学会において、このような賞を頂き非常に光栄であり、西野会長をはじめ、我々の演題をご評価いただきました先生方に御礼申し上げます。

今回、超高画質内視鏡を用いて観察し得た右浅大腿動脈(SFA)の石灰化結節(calcified nodules)の画像を提示させて頂きました。内視鏡を用いて石灰化結節を観察すると、一部血栓と思われる赤色調の物質が表面に散在するカリフラワー様の黄白色隗が山積しているような病変を認めておりました。石灰化病変に対して生検鉗子を使用して掘削し、十分な内腔が得られたことを確認した上で薬剤溶出性バルーン(DCB)にて薬剤塗布を施行しております。後日、切除した病変を病理に提出し石灰化結節と診断できております。今回の内視鏡像は、現在まで定義されてきた石灰化結節の特性をすべて満たすものであり、超画素数内視鏡はCalcified noduleを完全に同定することが可能であることが示唆されました。Calcified noduleはいまだにはっきりとした病因は不明であり、治療に難渋するケースが多いのが現状の中で、今回のCalcified noduleの内視鏡画像がその一助になればと考えております。本症例では、病理学的にも同定出来たCalcified noduleに対し掘削及び薬剤塗布の治療戦略をとりましたが、今後、内視鏡を用いた確実なCalcified noduleの診断のもと治療成績の比較や病因の追求が必要と考えております。

最後に、今回の受賞に際してご協力いただいた桜橋渡辺病院の諸先生方やスタッフの先生方に深く感謝申し上げます。