日本心臓血管内視鏡学会 学術集会・イベント

第25回学術集会 内田賞・ベストイメージ賞

第25回学術集会 内田賞

「Safety and efficacy of pericardial endoscopy by percutaneous subxyphoid approach in swine heart in vivo. J Thorac Cardiovasc Surg 2011;142:181-90」

木村 雄弘(慶應義塾大学病院循環器内科)

木村 雄弘

この度は、第25回日本心臓血管内視鏡学会において褒賞内田賞の名誉を賜りまして誠にありがとうございました。本学会名誉理事長内田康美先生をはじめ、選考委員会の先生方に心より厚く御礼申し上げます。

低侵襲治療の進歩は近年の循環器医療に大きな発展をもたらしましたが、現在の血管内アプローチでは、心外膜側へのカテーテルアブレーション、ペースメーカーリードの留置などは困難であることが問題とされています。そこで、新しい低侵襲な心外膜へのアプローチとして、心嚢内視鏡を開発し、心嚢内視鏡手術のプロトタイプとしての安全性の評価と有効性の向上のための手技を検討しました。

これまで世界的に幹細胞の研究が進む中、心臓への具体的な細胞移植法は確立されたものがなく、今後細胞移植をはじめとした、現代医療では開胸手術が必要な手技も低侵襲に行える可能性を秘めた循環器診療の新たな治療戦術となりうる方法であると考えております。今後は、この技術を臨床応用させるべく努力する所存です。学生時代より、コンピュータや映像技術に興味があり自己研鑽して参りましたが、今回の栄誉を心の励みとして、医療の視覚化等に更なる精進を重ねていきたいと思っています。

最後になりましたが、慶應義塾大学医学部福田恵一教授、三好俊一郎先生、慶應義塾大学理工学部荒井恒憲教授をはじめとして、御指導を賜りました多くの先生方や、技術開発に御協力いただきました多くのスタッフの方々に深く感謝申し上げます。今後とも、格別の御指導御鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

第25回学術集会 ベストイメージ賞

「冠動脈石灰化と血管内視鏡でのプラーク黄色度との関連」

今井敦子(尼崎中央病院 心臓血管センター)

この度は第25回日本心臓血管内視鏡学会 ベストイメージ賞という大変名誉ある賞にご選考頂き、誠に光栄に存じますとともに、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

‘Coronary calcification is positively associated with higher angioscopic grade of yellow plaque’ というテーマで発表させて頂きました。

安定なプラークのマーカーとなる石灰化もあれば、血管脆弱性を示す石灰化もあり、プラーク安定性と石灰化の関連は一定の結論が出ておりませんが、今回の研究では、内視鏡の黄色度とCTでの石灰化スコアに正の相関があるという結果を得ました。

内視鏡を中心に複数のアプローチによる石灰化評価が、アテローム性動脈硬化に対するより優れた予測モデルおよび有効な予防アプローチとなり得るかどうか、引き続き研究を重ねて参りたいと存じます。

末筆になりましたが貴学会の益々の御発展を祈念いたします。今後ともご指導ご鞭撻の程何卒宜しくお願い申し上げます。